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日々思うこと

東大祝辞を聞いて東大に行けなかった人事のぼくが思うこと

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こんにちは、しば(@sibambajinji)です。

ぼくは大学に行く選択肢はありませんでした。

それは行きたいとか行きたくないとかではなく、そうした環境で育たなかっただけだと思います。

そして社会に出て15年が経ち学歴社会や格差を嫌という程感じてきました。

色々な意見が飛び交う「東大祝辞」ですが、ぼくなりの考えをまとめてみました。

特に引用部分はぼくが頑張る理由のひとつであり強く共感します。東大卒が強者であれば高卒や専門卒は相対的に社会では弱者だと思います。ぼくもその一人です。

あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。

平成31年度東京大学学部入学式 祝辞

生まれた家でスタートラインが決まる

「貧困の連鎖」という言葉を聞いたことがありますか?

親の収入が低ければ子供の教育もままならないので、高い教育を受けさせることが出来ず労働につかざるを得ない場合など親の貧困が子供その孫にまで影響することです。

貧困問題の深刻さは、親から子へ、子から孫へという具合に世代を超えて連鎖していく傾向があることだ。「貧困の連鎖」と呼ばれるものだが、親の経済的困窮が子どもの教育環境や進学状況に大きな影響を及ぼすため、貧困は連鎖しやすい。

普通の日本人が知らない「貧困」の深刻な実態 親→子→孫へと連鎖し、高齢者にも広がる

これは事実だと思います。

ぼくの田舎は大学進学率が日本でもかなり低い地域なのですが、それは親も同じ。

大学を卒業した親世代がそもそも少ないから大学への進学を前提とした教育を施すことがない。

もちろんその学費を工面することが難しいからあえてその選択肢を見せないということもあると思います。

ぼくの家庭はどちらかというと後者で、学費はありませんでした。

だから何も知らない高校生のぼくが専門学校に行きたいと言った時親は涙を流していました。

これは初めて自分の家庭にお金に余裕がないことを知る出来事でした。

プロフィールでも書いたんですが、ぼくはその後なんとか進学の夢を叶えようと新聞奨学生という選択肢を選びます。

実際に学費を賄えて生活もできるのでありがたい制度ではあるものの、2ヶ月に1日しか休みがなかったりハードな生活をしいられます。

この体験はぼくは奴隷だったと思っています。社会人になった今でもあの時の孤独やトラウマは残っています。

そうした18歳〜19歳の一番輝ける時に気持ちがくすむような体験をしました。

ぼくの場合は少なくとも学校を出てその後に希望する企業に行く機会を得ることが出来ましたが、地元の同級生は高校を卒業してそのまま企業へ就職しました。

もちろん幸せの定義や豊かさは一概には語ることはできませんが

選択肢があるかないかでは大きく人生が変わるのは事実だと思います。

知識や情報が入ってこない

その後幸か不幸かぼくは7回も転職を繰り返すことになります。

一度は倒産も経験しています。

その間に勤めた企業は専門卒のぼくが入ることが出来たベンチャー企業。

経営者も含めて勉強をしなかった、もしくはする機会がなかった人と多く出会います。

ぼくもその一人でしたが、その世界からどうやって抜け出せば良いかわかりませんでした。

正しい教育や教養を身につけた人は正しい情報にアクセスできます。

それは、コミュニティも同様です。

僕たちにはそのアクセス権がなかった。

そして悪い経営者や幹部に搾取される弱い立場の人間を多くみてきました。

ぼくはそれが許せなかったし、自分もそうならないように必死でした。

心が折られ、やる気を失い社会に失望した人もいました。

ぼくの妻はそうしたブラック企業のトラウマで家から出なくなりました。

それでも生きていくしかないから必死に仕事や会社にしがみついてきたと思います。

そのスパイラルから抜け出すのは自力

ぼくはあるときMBAへの入学を決めます。

これは20代に節約し続けて貯めた貯金を全て使ってです。

MBAを中退した役員から「お前には無理だ」と見下されたのがぼくのエネルギーでした。

ぼくが入学したのがビジネスブレークスルー大学大学院。

そこでも情報の格差を感じました、そのMBAを学ぶ人の統計があったのですが、高卒・専門卒は全体の2%。

2%です。

100人いたら2人しか大卒以外の人間はいないのです。

ぼくたち低学歴の持ち主はこうした機会でも格差が広がっていくのかと考えさせられました。

MBAを学びながらも周りは大手企業の方達ばかり。

企業が出資してくれていて学費を全て出してもらっているような方も会いました。

ぼくはそのクラスメイトに劣等感を覚えつつも卒業すれば同じだと考え徹底的にプライベートを削ぎ落としていきました。

無事に卒業できた今、東大の祝辞を読みぼくの信念と重なるところがあったので記事に今回しました。

この知恵や知識を、そこにアクセスできない人に役立てたい。

それを実現するためにぼくはこれからも学び続けます。

ぼくは妻と付き合って10年以上ですが、子供はいません。

つくる予定も今の所ありません。

もしつくるなら幸せになってもらいたい。

選択肢を選べる環境に生まれてほしい。

貧困のスパイラルから自力で抜け出して良いケーススタディを作りたい。

ぼくはまだこの世にはいない自分の子供に、生まれてきて幸せな環境をつくることができるまで精一杯努力しようと思います。

東大の祝辞に勇気をもらいました。

まとめ

・貧困の連鎖は自分で断ち切る

自分でどうにかならないこともある、そういう時はぼくみたいな人間が一緒に頑張れるようにサポートする

・ノブレスオブリージュ

持つものはその責任や義務を負っていることを理解し自分を律する必要はある

・そうは言っても家庭のせいにしない

ぼくは単純に勉強しなかったことやのびのびと育ててくれた親には感謝しています。それが今差別化になる価値観や下地になっているから。お金があったらそんな自分になれていないし、ここまでハングリーになってない。そもそも勉強しなかったのは自分が悪い。

以上です。

ありがとうございました。

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