こんにちは、しば(@sibambajinji)です。
この記事は
最近何か良い映画ないかなー、アニメとか結構好きなんだけどなーと悩むあなたに向けてぼくが現時点で36年間生きてきて一番テンションが上がった映画をおすすめします。(ネタバレ防止に公開されてる情報のみにします)
記事の結論は
タイトル通りですが、「スパイダーマン スパイダーバース」をおすすめします。何か一本だけ無人島に持っていくとしたら、そう「スパイダーマン スパイダーバース」です。
公式サイト
http://www.spider-verse.jp/site/introduction
あえて大きな声で言います。
これは100点です。
このフォントサイズを初めて使うくらい強調したかった。
100点満点です、ぼくの採点が甘いわけではありませんキングダムの実写映画は30点台を叩き出すほどの辛口レビュアーです。
ちなみにぼくはアニメやゲームは好きですが、スパイダーマンは別に好きではありません。
どちらでもない普通くらい、多分スパイダーマンシリーズで見たのは1と2くらいです。
多分飛行機の中で無料で観れたとしても観ないくらいのファンレベルです。
しかし熱狂的なファンじゃないからこそお伝えできる「スパイダーマン スパイダーバース」との出会いと観て欲しいポイントをまとめてみました!
ではまいりましょう!
もくじ
クリエイティブの結晶がスパイダーバース

通常では1人のアニメーターが約1週間の作業で「4秒」分の映像を作るところ、本作では「2秒」分と倍近くの手の込みようだったそうです。
第20回 「スパイダーマン スパイダーバース」。もしもこの作品がアカデミー賞を受賞したらアニメーション映画の歴史が変わるのかも?
ぼくが「スパイダーマン スパイダーバース」を観るきっかけになったキーワード1週間で2秒。
いきなりコアなところからぼくは書き始めていますが、観るきっかけになったキーワードだったから仕方がない。
クリエイターが一週間で進められるアニメーションが1週間で2秒です、圧倒的な作業量の中でようやく2秒のキャラクターに命が吹き込まれる。
それは途方もない仕事で、映画の時間二時間半は秒で言えば9,000秒で、週に換算すれば…もっと途方もない。
「こんなに魂のこもった作品ってどういうものなんだろう?」
ぼくが「スパイダーマン スパイダーバース」に興味を持った瞬間だった。
そこからはアニメーションのスパイダーマンに興味を持ったというより、クリエイターが集まったスパイダーマンというテーマに興味を持ちはじめる。
そして、のちにその直感は正しかったと確信をすることになる。
6人のスパイダーマンが全員主人公レベル

いきなりここで予告編のPVを貼りますが、ぼくは公開後にこれを観たので「え、こんな出してるの?」と思うほどの濃い予告編。
ブログを読む前にこちらは2分程度で世界観がぎゅっと詰まっているからぜひ一度観てもらいたい。
URLを貼るほどに。
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観ていただけただろうか?
「スパイダーマンって一人じゃないの?」そんな疑問の声が聞こえてくる気がする。
6人(+ロボ1体)いる。
かなり混乱すると思うが、この7人が全て今作ではスパイダーマン。
公式のサイトにも記載がある通り、「スパイダーマン スパイダーバース」ではそれぞれ別の次元(ユニバース)で活躍しているスパイダーマンが集合するというストーリー。
予告編で観れるシーンはそのごく一部。
原作であるコミックでは軽く100人を超える別次元のスパイダーマンが存在するようだ。(多過ぎ)
キャラクターが一人一人際立っていてそれぞれに好きになるポイントができるくらい愛着がわく個性を持っているのが最高にかっこいい。
その片鱗をお届けする意味で、公式の紹介で一部公開されているので動画を紹介しておこう。
6人は
主人公(マイルス)
ピーターBパーカー
スパイダー・グウェン
スパイダーマン・ノワール
スパイダー・ハム
ペニー・パーカーと彼女が使うパワードスーツのSP//dr
ぼくが一番好きなのはスパイダー・グウェンですね、クールな女の子が最高。
キャラクター紹介
この子が「ペニー・パーカーと彼女が使うパワードスーツのSP//dr」で日本のアニメを意識したキャラクターで女子高生風、まさかのロボットに乗って戦うという攻殻機動隊もびっくりの最強女子。
グウェンもかっこいいが、オタクとしては一番この子がメカメカしていて好きかもしれない。
こちらは画風もユニークな「スパイダーマン・ノワール」、”ノワール”とはフランス語で黒を意味している。
観たままのキャラクターだが、フルカラーの映画なのにこのキャラだけモノクロで声優の大塚明夫さんが半端なく渋いキャラを際立たせてくれていてキャスティングも最高にフィット。
ある意味でヒーローのお祭り状態で、こいつらが暴れてくれると思うとワクワクして仕方がない。
ストーリーは細かいところはお話できませんが一言で言えば
クール!
それが「スパイダーマン スパイダーバース」を表現するにはちょうどいい言葉だと思う。
スパイダーマンとしてではなくアートとして観るべき

スパイダーマンを観るor観ないという選択肢を与えられた時、あなたは何を考えるだろうか。
スパイダーマン最高!スパイダーマンならなんでも大好物だ!という人ならおすすめする必要もないですね。
しかし、ぼくと同じ「別にスパイダーマンは興味ない」という状態だったら先述した選択肢はおそらく「NO」になるはず。
だって他にも映画はあるし、スマホをのぞけばエキサイティングなツイートやゲームがいつだってあなたの時間をたっぷり埋め尽くしてくれるから。
危なかった
ぼくはこのNOを選ぶことになるところだったと考えると、今でもあの時の2秒で1週間に直感が働いてよかったと心から思う。
先入観や偏見など硬い話をしたいわけではないけど、作品を好きか嫌いかで選ぶのは危険だとこの作品で経験した。
もちろんテーマは間違いなく「スパイダーマン」だし、映画のどこを切ってもスパイダーマンだ。
しかし、その表現されている世界観やアニメーションの表現方法は突き詰められている。
ただのアニメではなく、アートとしての性質も持っていてクリエイティビティを刺激したい人ならうってつけの作品。
アメコミのような表現を映画でするには?
こんなコンセプトは考えつくだろうか、動画なのに、映画なのに、静止画であるコミックの表現をする。
言っていることはとても理解できないが、作品を見ればそのアメコミをどう表現しているかが文字通り一目瞭然だ。
日本のアニメとかではニコマ打ちと呼ばれる方法で作っています。それに加えて、ゆっくり動くシーンなどでサンコマ打ち、ヨンコマ打ちをして、動きのスピード感を変えています。こうするとカクつくわけですが、無駄な情報が削ぎ落とされて、コミックっぽく見えるようになっているんです。
ハリウッドのアニメ制作の現場ってどんなとこ? 映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のアニメーター若杉遼にインタビュー!
2Dっぽい見た目といっても色々ある。僕たちは本作を「動くイラスト」と考えていたから、キャラクターをグラフィックっぽく扱おうとした。イラストのように感じられるように、キャラクターの造形を作り上げたんだ。
3Dから2Dの作画を起こす際に、どういった部分が強調され、2Dらしさとして表現されるのでしょうか?
熱くないだろうか、クリエイターが表現したい表現のために映像を考えてつくり込む、それを180人のアニメーターで。
それだけの人たちがこの作品ができるまでに、チームで魂を注いだことをイメージすると興奮が深夜でも収まらない。
この作品を「スパイダーマン」だからという理由だけで観なかったらぼくは公開していた。
だからあえてここでは言おう、スパイダーマンとしてではなくアートとして観て欲しい。
しかも動く。
付け加えておくと、見終えたぼくは「スパイダーマン スパイダーバース」は最高傑作になり無人島に持っていく映画に見事ランクインしたが、じゃあがっついて本家の「スパイダーマン」を観るようになったかというとそうではなかった。
あくまでもぼくが感動し興奮したのはクリエイターのこだわりと魂。
そこにストーリーやキャラクターが重なりぼくの一部となった。
だからぼくが勧めるのは「スパイダーマン スパイダーバース」であり「スパイダーマン」ではない。
相変わらず1と2を観た記憶しかないしそれ以外も別に観る気は今はない。
それでも観ようとしないあなたに

ぼくはこの記事を読んでもらえた人にはぜひ本編を観てもらいたいと思ってこの記事を書いた。(しかもキャラを若干変えて)
観る気になる情報をプラスしておく。
日本人が好きなストーリーとキャラクター
でも特に宮崎駿の作品からは、全体的な映画のトーンとビジュアルが大きく反映されたね。彼は“詩人”なんだ。だから僕らの作品がアニメに見えるか否かは別として、彼のストーリーテリングからは個人的に多くの影響を受けている――少なくとも僕のこれまでの作品は。なので、彼のDNAは本作にも継承されていると思うよ。
どういう形でビジュアルの方向性を決めましたか? もし本作が影響を受けた日本のアニメーションや作家、作品があれば教えてください。
なんとこの記事のインタビューではペニーパーカーは「セーラームーン」に影響を受けていて、煙や炎のシーンは「AKIRA」にインスパイアされているとのことだ。
しかもペニーパーカーにはCGの上に手書きのアニメーターが表情をつけるというこだわりもある。
アニメや日本のサブカル好きなら間違いなく令和初の熱い作品になることは間違いがない。
アカデミー賞だけじゃ止まらない賞賛の嵐
アカデミー賞だけでなく、ゴールデングローブ賞でアニメーション作品賞に輝き、アニー賞では長編作品賞をはじめ7部門を獲得、その他にも放送映画批評家協会賞でアニメ映画賞、ニューヨーク映画批評家協会賞でもアニメ映画賞などなど……ここには挙げきれないほど数多くの権威ある賞を受賞しています。
歴史に残る圧倒的な超高評価!アカデミー賞だけじゃない!
どのレビューサイトを見てもらっても良いが、まず星4以下の評価を見つけるのは難しいだろう。(どこにでもひねくれ者はいるが)
ぼくはレビューサイトには投稿しないが、社会人の疲れ果てた体で深夜2時に4,000文字を超える記事を書くエネルギー源になっているのがその作品の力によるものだったとしたら?
これほど伝わるメッセージはないのではないだろうか。
終わりに
この記事は「スパイダーマン スパイダーバース」が動画配信された2019年6月26日に書こうと思って書いた記事だ。
現実の行動が変わる作品をぼくはいい作品だと定義しているが、この「スパイダーマン スパイダーバース」は相当ぼくに影響を与えた。
あまり記事では触れなかったが、主人公の生き方や仲間との絆、それを作ったクリエイターの想い。
そういうワクワクする世界に触れたくて生きていることを思い出させてくれる作品だった。
…そうそう最近買ったヘッドフォンはマイルスと同じ赤と黒のツートンカラーでマイルスの好きな「サンフラワー」を聴きながら出社するのが日課になって、アートブックもサントラも買った。
そういえば高校の時はマイルスと同じようにグラフィティを描いて大きな夢を見ていた。
大人のぼくもいつか大いなる力を目覚めさせるつもりだ。
あなたもぜひ心の中に「スパイダーマン スパイダーバース」を。