こんにちは、しば(@sibambajinji)です。
この記事のおすすめな方
大企業もリストラやってるし、このまま仕事をしていて大丈夫なのかな?と疑問を持ちはじめたあなた。
最近話題になってきている早期退職制度、つまり「リストラ」ですがこれまで安定していたはずの大手企業がこぞってリストラを実行しているのが話題になっています。
この記事のおおまかな結論
年功序列を守ることができない企業は、若返りを進めることで生き残りをはかります。会社に依存しないスキルの形成と個人のブランディングを意識することが重要になります。
なんとなく戦後の高度経済成長から続いてきた古い人事制度に限界がきているのは現実です。
そのような大きな動きがある中で、個人はどう考えていくべきかという点は僕もずっと人事として考えてきました。
そう言ったこれまでの考察も含めてお伝えできたらと思います。
ではまいりましょう。
若返りを目指す企業は45歳でリストラする

なぜリストラが話題にあがるのかというのは、これまで安定の代名詞だった「大手上場企業」がこぞって45歳を基準に早期退職を募っているからです。
1 NEC ’18年6月29日に発表。対象は間接部門やハードウェア部門の一部に在籍の45歳以上、勤続5年以上の社員。11月時点で2170人が応募
45歳以上はクビ!? NEC、富士通、コカ・コーラetc.でリストラが進行中
2 エーザイ ’18年10月25日に発表。対象は45歳以上の従業員。当初、約100人の応募を想定したが、1月時点で当初の予定の3倍となる300人が応じた
3 千趣会 ’18年10月26日に発表。今回の希望退職者の対象となるのは、45歳以上の正社員および契約社員。募集人数は280人を予定している
4 日本ハム ’18年10月31日に発表。対象者は45歳以上の社員で、全社員の1割に当たる200人の早期退職者を募集した。応募期間は今年5~6月
5 昭文社 ’18年12月13日に発表。対象は45歳以上の同社ならびに国内グループ会社の従業員。人数は、全従業員447人のうち80人程度を想定
上記は一部上場でリストラを実行した企業抜粋ですが、誰もが知っているような企業ばかりで新卒が就職活動で内定をもらうことが出来れば、両親もほっと肩をなで下ろすレベルの企業です。
ではそうした企業がリストラをする理由には大きく2つの理由があります。
- 単純なコストカット
- 人材の入れ替えによる体質転換
だいたいがこの2つの理由を背景に早期退職などという形でリストラが実行されているのが現実です。
なぜ大手がやるのか?という点は単純に競争が国内だけではなくグローバルになり世界の企業と戦うには、今まで通りでは厳しいから大手企業も必死になってリストラを行うようになっていると考えられます。
45歳という基準良いか悪いかという点は、少なからず成長の期待が出来ない・変化がしにくい年齢だからという部分があります。
家庭を持ち一定のキャリアやポジションを築いた後に、家庭を顧みずさらにリスクをとってがむしゃらに働こうというのはあまり一般的ではありません。
では企業側はどうなるかと言えば、そのような年代の人たちが増えれば増えるほど頭が重くなり瞬発力がなくなるというのが道理です。
転職市場では35歳限界説などという年齢による難易度が存在します。
これは企業側の都合もありますが、今後の成長を期待してそれ以上の年齢は採用を控えるというメッセージが込められています。
今回の「45歳」という年齢はそこから更に10歳上です。
当然ですが、大手企業の年収とポストを維持しながら転職するには相当な実力を持っていなければ苦戦するのが目に見えています。
リストラが起こるのは日本の人事制度が関係している

ぼくは人事として仕事で人事制度を作る立場を経験しています。
そしてその人事制度の多くが欠陥だらけであるということも理解しています。
これまで日本が先進国の中でちやほやされてきた時代の背景には「戦後復興」という大きなボーナスステージにいたからだと言えます。
日本が急速に発展できたのもアジアの中で先進国入りできたのもそうした背景があったからこそ。
高度経済成長以降の日本は、人口が増え続けていたので働く人が多いという「人口ボーナス」期間でした。
だから働く人が増え国や企業の成長も促され、戦後というモノ不足も追い風となって「作れば売れる」という時代を経験してきたのです。
どうでしょうか、今とは全く時代背景が異なるのがわかると思います。
その時代に基礎が築かれているのが現代にまで使われている人事制度の骨格です。
当時は企業が成長することがある程度約束されていたので、終身雇用や年功序列という制度がうまくフィットしていました。
ちょっとずつ年収を毎年上げていき、順番に高くなるので組織の維持も容易でその元になる売り上げも比例して上がっていたからです。
しかし現代では競争が激しくなり、企業の寿命も短くなっています。
その理由にはITによるイノベーションが大きく影響しており、変化のスピードが圧倒的に早くなってきているからです。
その変化に追いつけない企業は、シャープのように海外企業に買収されたり倒産してしまう結末を迎えるだけなのです。
一方で、中小企業があまり話題にならないのは、そこまで人を集める力がないことやそもそも魅力が低いことで一定の離職率(20%〜30%前後)が常にあるので、リストラするより人が欲しいという状況だと考えられます。
だから人事制度を本来変える必要があるのですが、その前に手っ取り早い高給取りを退社に追い込もうというのがリストラの本質です。
東芝が100%出資する主要子会社にこの春、新しい部署ができた。そこには希望退職に応じなかった社員らが集められ、社内外の多忙な工場や物流倉庫で単純作業を命じられている。
東芝系社員、退職拒み単純作業 「追い出し部屋」と反発
日本は簡単に解雇が出来ない仕組みになっているので、こうした半ば嫌がらせに近い形でも追い出すことが現実に起きています。
企業に依存しない就社ではなく就職を目指す生き方

これからはますますこうした動きが加速してもおかしくはないと考えます。
なぜなら、背に腹は変えられない状態に企業は追い込まれているから。
ではどうすることが一番のリスクヘッジになるのかというと、この力をつけていくべきだと思います。
日本は「就職」ではなく「就社」の価値観で仕事を探しているようです。
就社とは会社に就くという意味で、その会社に依存した人生になりますが「就職」は職に就くという考え方なので、会社ではなく手に職を持つというスタンスの違いがあります。
海外ではキャリアアップのために、転職することは当然の動きなのに対して日本は転職するのは悪であり根性がなかったなどといまだに偏見があります。
実際人材エージェントなどへの登録時には転職回数が年齢に対して多ければ登録拒否をされることがあります。(ぼくはリクナビとエンエージェントで経験しました)
ですが、冷静に考えてこういった何十年も安定した企業に勤めた結果持ち運びができるスキル(ポータブルスキル)がなければ会社にしがみつく他ありません。
そうしたリスクをこれからの時代でとることはどれだけ大きなリスクか計り知れないでしょう。
その会社での経験には残念ながら上限があります。
ゲームのジョブチェンジと同じようにスキルマスターしたら次のジョブへとジョブチェンジしなければ自分の上限が上がることはありません。
「極める」という価値観自体が崩れようとしています。
これまでは何年も下積みをして初めて握れるようになる寿司職人の世界でしたが、最近では数カ月の研修のみでミシュランの星持ちの店舗で職人デビューしています。
また、大阪のヒルトップという鉄工所ではこれまで工場職人でしか出来なかった技術をプログラミングに置き換え自動化し汚れなくてもいい工場を作り話題になりました。(この工場は職人という考え方を否定しています)
極める先にリスクがある。
そうした視点を持ち複数の点を育てていくことで最終的に自分でしか出来ない仕事、つまり職を作ることが大事になっていくのではないかと考えています。
極めることを否定するのではなく、一本に絞ることのリスクを考えていくべきだと思います。
企業に勤める場合もそう、その業界や企業が今後どうなるかわかる人はいません。
だからこそ個の力を高めていく。
それ令和に生きるぼくたちの戦略なのではないかと考えます。
ありがとうございました。