企業ランキングっていっぱいあるけど、どうやってその中から良い企業を見つければいいの?という疑問にお答えする記事です。
「良い企業とは何か?」
これはどんな人でも働いていれば一度は考える機会があるのではないでしょうか。
ぼくは転職を7回経験する中で常に考え続けてきました。
転職という非日常の中で人は企業を選ぶ時にイメージを大事にします。当然ですがイメージの悪い企業に入りたいという人はいません。
そのイメージを支えるのは手前味噌な企業の公式情報よりも、第三者からの評価・口コミが大きな影響力を持っていると言えるでしょう。
その代表格と言えるのが今回のテーマである「企業ランキング」です。
この記事は企業ランキングが”悪”ということを指摘しているのではなく、普段目にするランキングや第三者が評価したようなのバナーには企業間で金銭の授受があるもの存在するという点を理解してもらえればと思っています。
その視点を持った上で企業を探すことができればより精度の高い基準で優良企業を見つけることが出来るのではないでしょうか。
…というぼくも、この類のランキングは厳しい審査に通った企業なのだと思い込んでいた時期があったのです笑
そして見事騙された本人です、だからこそ同じ過ちを犯さないでほしいし世の中の情弱と言われる僕たちが生き抜くための情報を提供したいと思いました。
だからこれは就活で迷うあなたのためにこの記事は書いてみました!
もくじ
企業もフォロワー(従業員)を買う為に評価を上げる

「人手不足倒産」という言葉を聞いたことがありますか?
帝国データバンクの「人手不足倒産」の動向調査では、2018年に発生した人手不足倒産件数は153件。この数字は前年比44.3%増、5年前と比べて4倍以上にも膨れ上がっています。また別の調査では、「正社員不足に悩んでいる」と回答した企業は全体の半数以上にものぼり、人材不足がどんどん深刻化しています。
5分でわかる人手不足倒産|原因と対策について
日本の企業の多くは人手不足に悩まされています。引用にあるように年間150社以上が人手不足で倒産している状況です。原因は単純なのですが、出生率が下がり続け働く人口が減少を続けているからです。
どんなに良いビジネスモデルを描いていて経営資金や商品があっても、「人」がいなければ企業は存続し続けることは不可能。
だから経営者というのは、いかに良い人材を獲得するかということにいつも執着しています。しかし採用が楽勝と言える企業はごく一部で、それはあなたも知っている様な有名企業のことを指しています。
例えばSNSもそうですが、ごくごく一部のインフルエンサーは多くの「フォロワー」を集めることが出来ます。同じく企業も有名企業のようにインフルエンサー的な立場であれば自然と「フォロワー」が集まります。
ほっといても「入社したい」という人が絶えない状況です。
しかし、有名企業でなければ「フォロワー」を集めることは出来ません。実際どんなに努力したところで見向きもされないのが現実でしょう。ちなみに、あなたは富士山の次に高い山を知っていますか?
答えは、“山梨県の北岳(きただけ)”です。
これは有名なたとえ話ですが、それほど1位と2位以下の差があるというものです。2位以下の企業はそのフォロワーを増やすために大変な努力をしようとします。
その一つが「企業ランキング」です。
最近は“フォロワーを買う”というインフルエンサーが問題視されていますね。フォロワーを買う理由は自分を人気者だと思ってもらうように仕向ける為。(ここで言うフォロワーは純粋なアカウントをフォローしている人を指します)
企業ランキングも実はその“フォロワーを買う”に近い性質を持ったものだったのです。
「●●ランキング1位の企業」と言われれば、第三者から認められている気がしますよね。しかしこれが買えるものだったらどうでしょう。全く印象が違いますね。
全てがそうというものではないですが、ぼくは人事をやっていたのでそうした“商品”の営業を受けることがありましたし何種類か購入し企業のHPに掲載することも経験しました。
企業ランキングというグレーな商材

総称としてここでは「企業ランキング」と言いますが、そういった商材の多くは本当に色々な名称で売られていますので人事や広報をしていない限りは気づかないと思います。
前提として下記のパターンが全てではないことはご了承ください。厳格な審査をして表彰されるものも中には存在する(はず)と思います。
ここでは代表的な商材を取り上げ、それがどういう性質のものかを説明します。性質上商材の具体的な名前は出しませんが調べれば大抵すぐ出てきます。
①企業を数社選んでいるように見せる「セレクト企業風商材」
比較的よく見かけるバナーですが、こういった種類は商材です。記載があるから優良な企業であるという性質のものではなく、一定水準の企業であれば掲載可能なれっきとした広告商材。
ぼく自身過去の経験としてスーパーブラック企業に勤めていましたが、この商材の提案を受けたことがあります。実態がどうこうという以前に売り上げや規模からの提案でした。
ということはスーパーブラック企業でも売り上げや客観的な実績があれば申し込みが可能ということですね。
注意すべきはその選定基準だと思います。「〇〇に選ばれました!」という表現は果たして本当かという疑いの目を持って良いと思います。
②働きがいのある企業を表彰する「ランキング形式の商材」
よく耳にする「働きがい」というパワーワードですが、この基準でランキングを作る商材もあります。
これも同じく費用を払えば基準を満たした企業であれば申し込むことはできます。ちなみにぼくはこのランキングには信頼がおけるのではないかと個人的に考えています。
その根拠としては
- 評価までの一定の期間がある
- 授業員が口コミに参加する仕組みがある
- コストがそれなりにかかる
- 改善するための企業努力が評価の対象になる
という感じでしょうか。
つまり、企業が勝手に申し込んで「うちの会社めっちゃやりがいありますよ!」ってのが言えないというのが信頼をおけるポイントです。
具体的にいい会社になろうっていう気持ちがない会社は多分やらないと思います。(時間と労力がもったいないから)
③表彰するキーワードが細かすぎる「ランキング形式風の商材」
個人的には一番注意していただきたい類のものです。これは採用関係の仕事してなきゃ知ることもないと思います。
企業名は伏せますが、大手(他にもあるかも)の企業が提供するものです。
すごいのは
ランキングが作れちゃいます
なのでその企業が希望する「〇〇な会社ランキング1位」という表記が可能になるという驚きの商材。実際過去の企業で作っていましたが、実態と合わないキーワードで生成することも出来ていました。
当然ですがそのバナーはHPに掲載されますし、求職者はもちろん信用しますよね。〇〇調べというものも付いてますからね。
そういうものもあるのだと理解してもらえれば、今後各企業のHP情報の真偽を見抜く力が少しつくのではないでしょうか。
企業ランキングをヒントにして優良企業を見つけるには

企業も人気を集めるために色々やっているのが少し見えてきたと思います。
じゃあどうすれば優良企業をその中から見つけることができるのか?ですね。まずランキングには信ぴょう性に欠けるものが少なからず存在するという前提で考えましょう。
今回はランキングを参考にしながらというテーマで書きましたので、それに沿った考え方をお伝えします。
まず表示されているランキングの大元、要は主催者のHPを確認しましょう。そこには審査基準やどういったランキングなのかは少なくとも記載があるはず。
ここでランキングをどう評価するべきかという点は、企業の何を評価しているのかという点です。
先ほどお伝えした従業員の声が反映されていたり、評価までにある程度の期間が必要なものは企業がどう行動しようとしているかがわかります。
一番わかりやすいのは申し込みのページから審査基準などを見てみるのは良いと思います。どれくらいの費用がかかってどれくらいの努力が必要なのか。
表彰されている他の企業にはどういった企業が存在しているのか?という客観的な情報をまとめて見ていくことでランキングの性質も少し見えてきます。
逆に上記の情報がオープンでない場合は疑ってみると良いでしょう。単純に審査基準は企業の広報や採用担当が検討する上で重要な情報です。それをクローズにしていては、その商材へのアクセスは少なくなります。
ですからクローズにしている場合は企業から申し込むタイプではなく、主催者側が話を持ちかけて個別に説明というパターンだと考えられます。公にしていては価値が下がる性質の場合はそうしますよね。
ランキングで探すポイントとしては従業員の声が反映されていて、審査基準がオープンになっているものが推奨できる企業と考えて良いと思います。(全てではないと思いますが)
追伸
経営者の取材された記事とかも大抵商材
です。ご存知の方も多いかもしれませんが、これも経営者が企業のPRのためにお金を払って掲載しています。人事とかも取材を受けたりします。
雑誌掲載というのは、どこか話題の人のような印象を受けますが「こういう風に見せて」と掲載方法を考えてアピールするために作られているのですね。
もちろんどんなことを考えていてとか、企業のことを純粋に知りたい場合は問題なく情報として取り入れて良いですが、「掲載=すごい」ではないのを認識しておきましょう。
トラブったら逆SEO
皆さんは「逆SEO」という言葉を聞いたことがありますか?ぼくはスーパーブラック企業にいたのでよく耳にしていました。
SEOとは検索順位を上げるために行う工夫のことですが、その反対ですね「悪い記事を下げるため」に使います。
口コミや悪い評判がたてば企業としては対策します。その検索順位を下げることで企業名で検索しても上位には綺麗な情報しか見せないようにするのです。
一見大丈夫そうな企業も少し怪しいなと感じたら、数ページ先まで検索結果を確認してみることをお勧めします。